うつ病(うつびょう、鬱病、欝病)とは、「悲しみ」「気持ちの落ち込み」「意欲がわかない」「興味を失なう」といった症状が2週間以上続く状態です。厚生労働省のうつ病に関する発表によれば、国民の100人中に3人~7人がうつ病の経験者であり、現在の日本には100万人を超える人がうつ病に苦しんでいると報告されています。
ちなみに、うつ病(のような症状)は人間だけではありません。人間の祖である魚は外敵にさらされると、ストレスホルモンの分泌によって一時的には運動能力が向上しますが、これが長時間に渡るとストレスホルモンの分泌が過剰になってしまい逆に行動力が低下します。また人間と同じように社会生活を営むチンパンジーも長く孤独にさらされると不安などから外の世界に興味が持てなくなり、引きこもってしまうといった研究結果も出ています。さらに人間に至っては進化の過程で言語を獲得したことで危険や恐怖を共有したり、衝撃的な出来事を強く記憶することで危機を回避してきたといわれています。
うつ病は“心の風邪”と称されることからもわかるように、ストレスの多い現代社会において非常に身近な存在といえます。ある意味、過剰に働いてしまった防衛本能と言い換えることができるかもしれません。
うつ病の主な症状やサイン
・憂うつ、気分が重い
・何をしても楽しくない/興味がわかない
・睡眠が不規則になる(一日中眠い、疲れているのに眠れないなど)
・イライラ、そわそわして落ち着かない
・自分は無価値であり、よくないことが発生すると自分のせいだと考える
・思考力が低下したり、作業が思ったように進まない。
・食欲がない
・死にたくなる
上記の症状が長期に渡って感じられるようでしたら、医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。